・出迎えてくれた子供たち

 家にもどって最初に出迎えてくれたのは、見知らぬ子供たちでした。どうやら今日が従弟の誕生日のようで、バースデーパーティを開いていたみたいです。5人の男の子にまざり女の子が1人。しかし、私はそんな光景に微笑ましさを感じるより先に、ある光景に目を奪われました。リビングには大型のスクリーンが設置され、プロジェクタがまぶしく映像を投影していました。そして彼らの手にはWiiのコントローラが握られています。なんてことでしょう。これが現実だと分かっていたけれど、いざ自分の目で確かめるとなると、言葉にできない違和感が生まれてきました。彼らと同じ年の私はファミコンのコントローラを握り、画面では配管工が必死に頭突きを繰り返していたというのに。けれども、時代が進んでいると感心している場合ではありませんでした。男の子の一人がノートパソコンを開いてこう叫んだのです「ウォークラフトやろうぜ!」ああ、私は取り残されているのかもしれないと思いました。小学生4年生が既にこの域まで達しているのに、10年後にはどんな姿になっているでしょうか。

 最近、子供たちが携帯やパソコンと接する機会が多くなり、幼いころから接する情報量は昔と比較にならないほど増加しているみたいです。しかし、事の良し悪しをあいまいにしか判断できない成長期に対して、この膨大な情報はどういった影響を及ぼすのでしょうか。私は諸刃の剣だと考えています。ここが保護者の手腕の見せ所かもしれません。