・いつも何かを考えること

 知人に勧められて、ある本を読んでみました。「指導者の条件」というタイトルの本。著者は松下幸之助さんという方。あの松下電器の創立者です。

 この本は指導者になるにあたって、身につけるべくことを102個の事例で紹介しています。もっと数は多いと思われますが、ここでは102個に絞っているそうです。まえがきを読んだとき、102個もの松下さん自身の言葉が綴られていると思いました。しかし、いざ読んでみると内容は102個『すべて』過去の偉人達の経験でした。なるほど。何千年と歴史が刻まれてきた中で、学ぶべき経験はいくらでもある。実にその通りです。

 その102個から今回は私が特に面白いと思った項目を一つ書いてみようと思います。「心を遊ばせない」という題名でした。この項目の中では、王様の王冠の金の純度を調べるために、アルキメデスが風呂場で思いついたアイディアに関するお話でした。この話は普通、アルキメデスの頭の良さやひらめきを表わす例だと思いますが、松下さんの着目点は違ったようです。アルキメデスは四六時中問題を考えていて、風呂に入ってやっぱりしようと思っていても、頭は休まなかった、と言った内容が書かれています。そして、この項目のサブタイトルは「指導者は体は遊んでいても心は働いていることが大事である」となっています。

 しかし、この項目で言いたいサブタイトルの内容よりも、松下さん着目点の広さの方が印象的でした。君はズレていると言われる原因ですね(笑

 

参考文献:指導者の条件 著者:松下幸之助